※前回の続きです。
前回の記事(単位が分かるようになる!―長さ・広さ・かさ編―①)はこちらから
①長さ・広さ・かさの区別がつかないとは?
長さ・広さ・かさの区別がついていない生徒とはどのような生徒か、まずはそれをお話ししたいと思います。
小中学校で扱われる長さの単位にはmm,cm,m,kmがあり,
広さの単位は㎠,㎡,㎢,a,ha,
かさの単位は㎤,㎥, ml,dl,lなどがあります。
広さには「面積」、かさには「体積」という用語が使われます。
長さ・広さ・かさの区別がついていない生徒は、まず「問題が解けない・間違える」といった形でその理解不足が現れます。
長さを問われているのに㎠(平方センチメートル)を使ってしまう
面積を問われているのに㎤(立法センチメートル)を使ってしまう
体積を問われているのにmを使ってしまう
といったように。これはペーパーテストでも口頭での質問でもどちらも同じように現れます。
「これは普段あまり目にしないアルファベットの記号が理解できないだけであって、長さ・広さ・かさの概念自体は理解しているのではないか?」
そう考える方もいらっしゃるでしょう。私もそう考えました。
そこで
「アルファベットの記号を使わずに、日常語で質問してみたらどうか?」
と考え、ある生徒に質問をしました。例えば、
机の上の平面をなでながら「これは長さ・広さ・かさのどれで表す?」と聞いたり、
「ペットボトルの中にあるジュースは長さ・広さ・かさのどれで表すと良い?」と聞いたり。
前者は「広さ」、後者は「かさ」と答えるべきところですが、生徒はこれを逆に答えました。
「『かさ』という言葉になじみがないのかな?」
と思って「かさ」を「体積」や「量」などに言い換えて質問しても、結果は同じです。
もちろん、正解することもあります。しかし、時間をあけて同じ質問をしても再び正解できるとは限りませんでした。
彼らはアルファベットに慣れていないだけでなく、長さ・広さ・かさの区別自体がよくついていないのです。
「単位が分かるようになる!―長さ・広さ・かさ編―③」はこちらから