※前回の続きです
「単位が分かるようになる!―長さ・広さ・かさ編―①」はこちらから
「単位が分かるようになる!―長さ・広さ・かさ編―②」はこちらから
②単位の記号を正確に読めない
長さ・広さ・かさの区別がついていないのならば、それらを区別する記号の区別は当然つきません。読み方もいい加減になります。
単位の記号を読まなかったり、
㎠を「センチメートル」というように「平方」を省略した形で読んだりします。
「正式には『平方センチメートル』だということを分かっていて、全部言うのが面倒だから省略しているのではないか?」
と考える方もいるかと思います。しかし
「省略しないで言ってみて」と確認すると
「立方メートル!」などと答えることがよくあります。
「省略」しているのではなく本当に理解していないのです。
③自分の身長を知らない
私はある時ある生徒に身近な物の長さを尋ねました。
「机の幅はどれくらい?」
「床から天井までの高さは?」
「10cmを手で表してみて」
などと。この生徒は全く答えられませんでした。「正確でなくても良いから大体で答えてみて」といってもできません。
例えば、
「床から天井までの高さは?」
という質問に対してだったら2~4メートルと答えられれば良いでしょう。それが
「10センチ!」
などと答えるのです。私が10cmや1mの大体の大きさを示して、何度も試してみて、その後にようやく答えられました。あまりにも長さの感覚がないため、
「もしかしたら、この子は自分の身長すら知らないのではないか?」
と思って生徒に身長を尋ねてみたところ、答えられませんでした。「大体の身長でよい」と言っても同じです。
私は子供の頃、学校で身体測定があるたびに自分の背がどれくらいなのか、どれほど伸びたのかを確かめ、喜んだり落ち込んだりしたものです。しかしこの生徒は自分の身長や伸び幅が気にならなかったようなのです。
この事実から推測するに、長さ・広さ・かさの区別がつかない生徒は、
「そもそも長さに興味がないから長さ・広さ・かさの区別がつかない」
のではないでしょうか。
そんな生徒に対するi-formの指導を次回お話ししたいと思います。
「単位が分かるようになる!―長さ・広さ・かさ編―④」はこちらから