みなさん、こんにちは。i-form担当講師の渡辺です。今回は自分の悪いところを改善できない生徒についてです。
勉強が苦手な生徒の中には、自分の悪いところを改善できないために勉強が苦手になっている、という生徒がいます。例えば、
字が汚くて読めず計算を間違える生徒
設問文の指示を無視して減点される生徒
面倒くさがって途中式や筆算を書かないため計算間違いが多い生徒
などがいます。これらの生徒に改善するように言ったとしてもなかなか改善しようとしません。字をきれいに書くように言っても直さない、設問をよく読んで指示に従うよう言っても読まない、途中式や筆算を書くように言っても書かない、そういう状態が続きます。保護者の方も覚えはないでしょうか。お子様に
「早く起きなさい」といっても起きるようにならない
「早く寝なさい」と言っても夜更かしをする
「ゲームをやりすぎるな」といっても長時間ゲームを続ける
といった経験があるのではないでしょうか。こういった子どもがなぜ自分の悪いところを改善できないのかと言うと、
「悪いところを改善する・しない」
以前に
「自分には悪いところなどない」
と考えているからです。
子どもは普通、自分に悪いところがあったら治そうとします。しかしこの「悪いところ」というのは
「人から指摘された自分の悪いところ」
ではなく
「自分で認めた自分の悪いところ」
です。
善悪の基準が「他人の視線」ではなく「本人の思い」なのです。もし他人から見て明らかに悪いところがその子どもにあったとしても、指摘された悪いところに対して本人が「悪いところだ」と認めなければ、「悪いところ」は「ない」ことになります。
したがって「改善しなさい」という声はその子にとって「意味不明」です。「改善」とは「悪いところ」を直すことですので、「悪いところ」などない子どもは「改善」のしようがなく困るのです。
ですから、悪いところを改善しない生徒にはまず悪いところを認めさせる必要があります。
i-formでは生徒を指導する際に
「悪いところの指摘」
ではなく
「事実の指摘」
を行っています。
「善悪の基準」が本人の中にある以上、外からの「それは悪いことだ」という指摘は容易には届きません。
しかしそんな子供でも、「悪いところ」ではなく「事実」なら認めやすいです。「善悪の基準」は本人の中にあって自分が良いか悪いかを1人で決めてしまえますが、「事実」は1人では決められないからです。「事実」を一つ一つ積み重ねていくことで、生徒は改善点に自ら気づいていきます。
次回、具体例を挙げて指導法を紹介したいと思います。
「自分の悪いところを認めないお子さんはいませんか?②」はこちらから