こんにちは。i-form担当講師の渡辺です。

勉強が苦手な生徒には、理解をはじめから放棄して「なんとなく」問題を解こうとする生徒が多いです。
知識や手順を理解する気がないので、親御さんや教師がいくら説明しても理解できません
理解していませんから、一時的に手順を覚えてもすぐに忘れます
どこが分からないかを聞いても、何が分からないかを説明できません
そんな生徒に勉強内容を理解させるには、「スモールステップで理解させること」「本人に説明させる」ことが効果的です。

今回は苦手な子が多い「割り算の筆算」を題材にご説明したいと思います。

例えば、何度やっても割り算の筆算の解き方を覚えられない小学4年生がいたとします。その生徒に76÷3を解いてもらいます。講師は生徒に問題の解き方を教えますが、その際に解く手順を細かく分けて1つずつ解説します。

割り算の筆算を解く手順を細かく説明すると以下のようになります。

割り算の筆算の手順(76÷3)(※問題は初めから書いてあるものとします。)
①7の中に3がいくつあるかを考える。
②3×2=6、3×3=9だから、2つあると分かる。
③7の上に2を書く。
④7の下に先ほどの3×2=6の結果である6を書く。
⑤6の下に横線を引く。
⑥7-6をする。
⑦6の下の横線の下に7-6の結果である1をかく。
⑧1の右に76の6を下ろしてくる。
⑨16の中に3がいくつあるかを考える。
⑩3×5=15、3×6=18だから、5つあると分かる。
⑪76の6の上に5を書く。
⑫16の下に先ほどの3×5=15の結果である15を書く。
⑬15の下に横線を引く。
⑭16-15をする。
⑮15の下の横線の下に16-15の結果である1を書く。
⑯商は25、あまりは1と答える。

やや手順が多いように見えます。この手順を減らして教えることも可能です。
例えば①②③をまとめて「7の中に3が2つあるから7の上に2と書く」というように。
しかし手順を減らして一つの手順の中に多くの要素を詰め込むと、勉強が苦手な生徒は理解ができなくなります
段差の大きい階段を上らされるような状態になって、ヒイヒイ言いながら理解しようとしますが、途中で疲れて思考停止してしまうのです。手順を多くすれば、段数は増えるかわりに一段の高さが低くなる(スモールステップ)ため、理解が容易になります。これが「スモールステップで理解させる」です。

さらに、この手順を「生徒に説明させ」ます。手順の一つ一つを全て説明させます。
全部です。省略なしに全部説明させます。省略を許すと生徒は面倒くさがってどんどん省略してしまいます。理解したうえで省略するのならよいのですが、「面倒だから」といって省略する生徒がほとんどです。ですから全部説明させなくてはなりません。とても大変なことですが効果的です。

「スモールステップで理解させる」「本人に説明させる」ことにより
・手順がはっきりして、問題が解けるようになる
・解き方を忘れにくくなる、忘れても思い出せる
・わからないことを言葉で整理する技術が身につく
・説明能力が上がる

といった効果があります。

もちろん、1回60分の授業だけで理解できるようにはなりませんし、説明もできるようにはなりません。何回も何回も繰り返して少しずつ理解が進み、説明ができるようになります。

理解力が低い、教えてもすぐに忘れてしまう、説明が苦手といったことでお悩みの生徒さん・保護者の方は、i-formにご相談ください。

 

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