この春中学1年生になる小学6年生の皆さん、並びに保護者様、進学おめでとうございます。今の時期は新しい学校への期待と不安を胸に抱いていることと存じます。
「期待」は新しい友達や部活動などに対して抱いていると思いますが、「不安」はやはり勉強に対して抱いていらっしゃるでしょう。中学に行くと勉強が大変になりますから、不安になるのが普通です。
勉強がどう大変かと言いますと、「自習時間がたくさん必要」だから大変なのです。
なぜ中学の勉強には自習時間がたくさん必要なのか、その理由を小学校の勉強との違いに即してお話しします。
①内容が難しい
中学校の勉強は小学校に比べて難しいです。
英語は、小学校だったら読む・聞く・話すことに慣れる程度のものです。中学校に入ると読む聞く話す以外に書くことと長文を読むことが求められます。
数学は文字式が増え、文章題にも文字を使い、話が抽象的になります。
国語は文章の量が増え、内容が固いものが増え、漢字が増えます。
理社は用語や人物名が何倍にも増え、言葉をすべて理解していないと教科書が読めません。
小学校では授業を聞いていれば学習内容を理解できましたが、中学の学習内容は授業中では理解しきれません。そのため、理解できなかった部分は自習をして自力で理解しなくてはなりません。
②テスト範囲が広い
小学校のテストは範囲が教科書5~10ページ分と狭いです。一つの単元を習い終わったらすぐテストをするので、内容を覚えていて解きやすいです。1学期中に何度もテストがあります。
それに対して中学校の定期テスト範囲は1教科あたり30~40ページと広いです。1ページ当たりの文字数が小学校の教科書と比べて多いため、ページ数以上に範囲が広くなります。そして中学校の定期テストは3ヶ月に1回程度と回数が少ないです。そのため3ヶ月分の学習内容を理解し覚えている必要があります。
テスト前に3ヶ月分の内容を思い出し、理解することは困難です。普段から学んだことを復習したり練習問題を解いたりして、理解と記憶への定着をする必要があります。学校ではわざわざその時間を取ってくれませんから、自分で自習時間を確保して理解と記憶への定着をしなくてはなりません。
③提出物の量が多い
中学校では、定期テストの時にノートとワーク(問題集)の提出があります。
ノートは先生が話したことを書くだけでなく、配られたプリントを張ったり、先生から出された問題を解いたりすることが求められます。普段からプリントや問題の処理をしていないと、提出直前に慌てることとなります。
また、ワークは提出範囲が1教科あたり20~30ページと広いです。これも普段から少しずつ進めておかないと、テスト直前に急いでやらなくてはならなくなります。
学校ではノートを整理したりワークを解く時間も取ってくれません。自分で時間を確保してノートとワークを進めることになります。
④平常点がある
小学校に通う生徒は成績で評価が付けられますが、小学生自身はその成績をあまり気にしません。たとえ成績が良くなくても中学校に進学できることは決まっていて、行く学校がないかもしれないという危機感がないからです。まあ、「がんばろう」が多いと本人も少しは気にしますが。
それに対して中学生は学校の成績を大いに気にします。中学校の成績は「内申点」として公立高校の入試に利用されますが、その配点が低くはなく、学校の成績によって行ける高校が決まってくるからです。
中学生の成績は、定期テストの点数で評価されますが、他にも平常点がございます。平常点はノート・ワークなどの提出物、小テスト、発表、授業参加の度合いなどで評価されますが、定期テストの点数と平常点を合わせて通知表の評価(1~5)が決まります。定期テストは数値が分かりやすく生徒に見えるので、皆テストの点数に目を奪われますが、定期テストと平常点の配点は6:4から5:5です。以外にも平常点が多くを占めているのです。ですから平常点をとることも大事になってきます。
ノートの字は読みやすく書く、プリントを張り忘れない、ワークは漏れなく解く、全ての問題の答え合わせをする、期限内に提出する、小テスト対策の勉強をする、発表のための原稿を作る、授業は寝ずに受ける、指名されたらきちんと答える、こういったことに気を付けなくてはなりません。
ノートとワークの話は③でしたとおり、時間を確保して処理します。
小テストは範囲が短くて簡単ですが、それでも漢字や単語などの暗記モノはそれなりに練習時間が必要です。
発表原稿は、発表する内容について調べ、原稿の文章を考える時間がかかります。
これらをこなす時間をねん出するために睡眠時間を削ったら、授業に集中できなくなり、勉強に身が入りません。ましてや、授業中に眠ってしまったら、先生からの印象は最悪です。
毎日勉強をし、締め切りの早い課題からこなすことを習慣づけることが、平常点を取るには一番です。
以上のように、中学生になったら自分で自習をしなくてはなりません。勉強が苦手な生徒は自ら進んで自習をすることが苦手でしょうから、中学校の勉強についていくことが大変になります。
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